シーン19「不安」

 そんなわけはない。どう考えたって変だ。
 だって、私が生まれる前の日に働いていたなんて。

 もう少しさかのぼって読んでみる。

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12月22日  曇り

 そろそろ、クリスマス。
 クリスマスの日は仕事もお休み。
 普段、アイの面倒を見てあげられないから、クリスマスくらいはそばにいてあげないとね。

 思えば、アイが生まれてからは、先生に頼りっきりだったな。
 先生がいるから、安心してアイを預けられる。
 あの孤児院で育って、先生に育てられて、本当によかった。

 そして、命を育む仕事につくことができた。
 これであの罪が消えるわけじゃない。
 だけど、これくらいしか私にはできることがないから。

 そろそろ、ソミティアさんの子供が生まれる頃だ。
 しっかりと気を引き締めないと。
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 アイ……私と同じ名前。
 一体どうなっているの……


 どのくらい立ち尽くしていたことだろう?
 頭が真っ白になって考えがまとまらなかった。


 それから、私は孤児院に向かった。
 どこをどう歩いたのかもよく分からず、ただ、虚ろな状態で孤児院を目指していた。

 先生……孤児院……アイの名が刻まれた墓……
 何か知らないことがあるのは確かだ。
 でも、それを知ってしまっていいのだろうか?

 抱いたクルルを見ると、また震えだしたようだ。
 クルルの頭を撫でると、じっと体を寄せてくる。


 そして、あの建物の前にたどり着く。

 クルルの震えが更に大きくなる。
 私も足が震えだした。
 何か、巨大な闇に向かって歩き出すような、そんな気持ち。

 だけど、このまま放っておくわけにもいかない。
 思い切って、一歩を踏み出した。