役割理論

last update:2007/04/30

役割理論は、対戦で勝つためにどうすればよいかを考える際に役立つ理論です。
この理論は『ポケットモンスター金・銀』の時代に作られました。

具体的にどういう理論なのか?
この文章ではaonaなりの解釈で、役割理論の解説をしています。
ポケモンバトルを考える上での一助となれば幸いです。

はじめに / 駒の性質 / 対戦中の役割の変化 / 読みと運 / 役割を持った駒を失わないように立ち回る

はじめに

ポケモンというゲーム

【二人のプレイヤーで勝敗を競う他のゲームとの違い】

ポケモンバトルは二人のプレイヤーにより同一ルールのもとで行われます。
以下の文章では便宜上対戦を行う二人のプレイヤーをP1(こちら)とP2(相手側)で表現します。

二人のプレイヤーが勝敗を競うという点ではオセロやチェスと同じですが、
異なるのは使用する手駒が異なるという点です。
よって、勝敗に影響する要素は当然ながらオセロやチェスとは異なります。

勝敗に影響する要素を知る

【勝敗に影響する三つの要素】

ポケモンバトルの勝利条件は、時間制限の無い対戦では先に相手ポケモンを全滅させることです。
お互いのプレイヤーのポケモンが同時に全滅した場合でもルールによって勝敗がつく場合がほとんどです。
勝敗に影響する要素を箇条書きすると、次の通りとなります。
1.各駒(ポケモン)の性質
2.読み(行動選択)
3.運要素

役割理論

【役割理論とは?】

役割理論とは、対戦で使用するポケモン、技、特性、性別、個体値、努力値、性格に意味(役割)を持たせる理論のことです。
つまり、対戦の勝敗に影響する要素のうち、「1.駒の性質」をどうすればよいかをしっかりと考えようという理論で、
ただ適当に技を覚えさせるのではなく、勝つためにはどういう構成にすればよいかをしっかり考えるのが役割理論です。

*決して受けポケモンを用意して受けながら戦う理論ではないので誤解の無いようお願いします。

対策するという観点で考える

【駒の強弱関係を意識する】

ポケモンにはタイプ相性など様々な強弱関係があります。
つまり、駒の間に強弱関係があることになります。

【駒の関係を対策という語で置き換える】

単純な発想の仕方をするとP2の駒に強い駒をP1が多く用意できればP1側が勝ちやすくなります。
P2がどのような駒を使い、その駒に一方的に負けないようにするにはどうすればよいか、P2の駒を倒すためにはどうすればよいか……
この考え方は「対策」という言葉で置き換えることができます。

勝利を得るために

【対戦全体で勝つことを考える】

P1側の主観で考えると、P2に対策されている間は崩すのは難しく、P2の駒を対策出来ている間は崩されにくいです。
崩される前に速攻で崩すか、崩されないようにしつつじっくりと崩す隙を伺うか。
これを対戦全体の流れで考える必要があります。
自分の駒が全滅させられる前にいかに相手の駒を全滅させるかを考えることが重要です。

駒の性質

駒の性質を表す造語

ここでは、駒の性質等を造語を用いて解説します。
造語は知らない方もいるので場所を選んで使い分けるようにするといいでしょう。
また、造語は人により捉えかたが異なることも往々にしてあり、ここで解説しているものも著者の解釈によるものです。

どちらかというと定義よりも考え方の方が重要なので、まずは駒の性質としてどのようなものがあるかを知ることが重要です。
また、造語で表現できない技構成のポケモンもいますが、そういったポケモンは役割を持たないのではなく、
造語で表現できていないだけという点に注意してください。

【ゲームバランス】

対戦を考える際には、現在のゲームバランスの中でどの駒を使うのが強いかを見極める力が重要です。
『赤・緑』『金・銀』『ルビー・サファイア』『ダイヤモンド・パール』ではゲームバランスが異なり、
同じ世代でも新たなソフトの登場や配布等により新しい技が使えるようになると駒の性質が変わりうることを
意識しておく必要があります。
また、流行により駒の分布に違いが現れることもあるので、それも考慮に入れておきたいです。

ダメージの観点から見た駒の性質紹介

以下で、ダメージの観点から見た駒の性質をそれぞれ紹介します。

【潰し】

特定の対象を倒すことが出きる状態。
タイマンで特定の対象を倒せる、相手の回復ペースを上回る攻撃性能を持つ、とする場合もあります。

【受け】

特定の対象に対し、回復が追いつき倒されない状態。

【回復が追いつく状態】

「じこさいせい」のような最大HPの半分回復する技を使う場合は2発耐えることができれば回復が追いつきます。
交換がある場合、対象に先手が取れるポケモンの場合は1発耐えるだけのHP、
後手のポケモンは2発耐えるだけのHPを残しておかないと、
再度場に出したとき回復技を出す前に倒されることに注意する必要があります。

「ねむる」は2ターン眠る技なので3発耐えることが出来れば回復が追いつきます。
ただし、交換して場に出たターンは眠りターンを消費しないので、
交換がある場合は対象に先手が取れるポケモンの場合は3発、
後手の場合は4発耐えることができないと回復が追いつきません。

【倒されない状態】

相手の技を全て無効化する(ヌケニンでおこりやすい)、
「たべのこし」による回復が追いつく場合などの極端な例もあります。

【定義と現実のギャップ】

回復がギリギリで追いついている状態では回復技以外を使うと倒される可能性もあり、
急所等の運要素により崩される可能性が高いので、できるだけ多くの回数を耐えられるに越したことはありません。
また、回復が追いつく状況でも回復技による回復の場合はPP値に限りがあるので永遠に耐えられるわけではありません。

【流し】

特定の対象に対し交換で出しても勝つことができる状態です。

【強い交換強制力を持つ状態】

交換で出しても勝つことができることから、交代強制力が強く発生すると考えられるので、
相手を場から退かせやすくなる効果があり、この効果まで含めて流しの定義とする場合もあります。
また、「あくび」「みちづれ」「ほえる」などで交代強制力を持たせたり直接交代させることを流しと呼ぶこともあります。

【潰しとの違い】

潰しを「タイマンでは勝てるけれど交換で出すと交換時のダメージ蓄積のせいで倒すことが出来ない」と定義した場合には、
交換で出しても勝てるという流しの定義が生きてきます。

【封じ】

特定の対象に対し交換で出しても勝つことができ、更に回復が追いつく状態。 言い換えると、潰しと受けを両立した状態です。

対策される観点から見た駒の性質紹介

以下で、対策される観点から見た駒の性質をそれぞれ紹介します。

【役割破壊】

自身が対策される相手に強い手段。

【何故この役割が必要か?】

相手に対策されたままでは一向に相手を倒せないので、対策してくる相手に対抗しようという発想の仕方。
例えば、カビゴンのエアームドに対する「だいもんじ」が有名です。
「だいもんじ」を覚えたカビゴンに対してエアームドは受けることはできないので、
受けを破壊するというよりは、対策される相手に強い手段と捉えておいた方がよいです。
「いやなおと」や「ねむりごな」等で相手が対策できない状態にして自身で突破できる状態を作るのも役割破壊に含まれます。

【対象は何かに注目する】

自身が対策する相手に対しては必要性が薄い技、とする場合もあります。
例えば、特殊ポケモンに対する対策としてカビゴンを使う場合には、多くの相手に大ダメージを見込める
ノーマル技を使うのが有効で、「だいもんじ」は自身が対策する相手に対してはそれほど必要性がないので
役割破壊に分類されるという具合です。

【補佐】

後続を補助するという意味合い。

【後続の駒が活躍できる舞台を作る】

役割破壊が自身で突破するのに対し、補佐は後続とのコンビネーションで対抗します。
自分がトゲキッスを使っていて相手がガブリアスを出したときのために「リフレクター」をして
後続のスターミーを補助するという具合です。

対戦中の役割の変化

常に状況は変化する

対戦中は常にHPが100%ではなく、また、能力変化、状態変化など戦況を変化させる効果が数多くあります。
駒の強弱バランスが対戦中に変わるので、役割(というよりもポケモンがこなすことが出来る仕事)も変化する場合があります。
このことを、レベル50で全個体値31として例を出して説明します。
ここで紹介している例以外にも役割が変化する要素は数多く存在します。

【ダメージ蓄積】

特防252ハピナス(HP330)は「いのちのたま」持ち特攻252スターミーの「ハイドロポンプ」で72〜85ダメージ(21.8〜25.8%)なので
回復が十分追いつきますが、HPが51.6%以下の状況では後だしする場合は倒される可能性があります。
後手のポケモンの場合はダメージが蓄積していて2発圏内になる場合は受けの役割を確実に果たすことが出来ません。

【能力変化】

「いやなおと」「つるぎのまい」等の効果で潰しが可能となる場合があったり、「あまえる」で潰しができなくなることもあります。
防御が性格補正で上がり防御努力値252ハピナス(HP330)は攻撃ランク-2の「こだわりハチマキ」持ち攻撃252ガブリアスの
「げきりん」で136〜160ダメージ(41.2〜48.5%)なので攻撃の能力ダウンにより潰しが出来なくなります。

【状態異常】

眠り状態になると、通常「じこさいせい」による回復が追いついたとしても起きるまでの間は行動できず倒される可能性があり、
受けの役割を確実に果たすことが出来ません。

【運要素】

「じこさいせい」による回復が追いついたとしても、急所や「せんせいのツメ」の発動、技の追加効果の発動、
混乱時の自分への攻撃などの運要素がおこると、受けの役割を確実に果たすことが出来ません。

読みと運

読みと運がバトルに与える影響

【読み】

「潰し」「受け」「流し」「封じ」は対策するポケモン、「役割破壊」「補佐」は対策されるポケモンを対象としています。
もし、P1の場にいるポケモンがP2の場にいるポケモンを対策できている状況の場合、
P2の場のポケモンが居座るか交換するかは読み次第で、読みが当たれば役割を効果的に遂行でき、
読みが外れれば小さな被害しか与えることが出来ません。
このように効果的に役割を遂行できるかどうかは読みに依存します。

これに関連して交換強制力の考え方が重要になります。
駒の強弱関係を考えたとき自分の場の駒が相手の場の駒を即倒すほどの攻撃性能を有している場合は、
弱い方の駒は場に居座っていても即倒されるので交換強制力が強く働くと考えられ、
駒の強弱関係が大きいと行動に大きな影響を与えます。

【運】

「かみなり」で2発で倒せる相手でも技が外れて倒せなかったり、
受けられている状況でも急所が出て受けられなくなったりと、
運要素により役割を遂行できなくなることがあります。

役割を持った駒を失わないように立ち回る

役割を残したまま倒されないようにする

【倒せる駒を失わないようにする】

基本的には相手チームの駒を倒す役割を持った駒を失う、あるいは役割を果たせない状況になると勝つことが出来ません。
例としては相手チームにハピナスがいて、こちらのチームに特殊攻撃技を使える駒しかいない状況など。

【対策できる駒は多いに越したことはない】

倒す役割を持つ駒が一つのみのときにこの駒を失うと、残りは倒す役割を持たない駒なのでこの場合も勝つことが出来ません。
つまり一体だけに対策を任せている場合はその駒が倒されると一気に崩れる可能性が高いので、
失わないように細心の注意を払う必要があります。
対策できる役割を持つ駒をなるべく多く入れるのが理想です(ただし現実的には難しいです)。

【一体だけに対策を任せる際の注意点】

複数の駒に対し役割を果たせる状況を役割の重複と呼びます。
例えば相手チームにフォレトスとグレイシアがいた場合、ウインディは潰しの役割を重複しています。
もし、ウインディしかフォレトス、グレイシアを対策できない場合、フォレトスが「だいばくはつ」でウインディを倒すと
グレイシアを対策できる駒がいなくなります(俗に間接的役割破壊と呼ばれる)。
一体だけに対策を任せる場合、それを倒されると勝てないので間接的役割破壊に注意するか、
あるいは対策できる駒を増やして一つの駒を倒されても大丈夫にする必要があります。

リファレンス

この文書以外にも役割理論そのものの解説や、役割の考え方を利用して勝つための解説を行っている文書が
web上に数多く存在します。
aonaがこのページを作る際に参考にさせていただいたサイトを紹介します。